公務員が副業で趣味の「絵」を売るのは法律違反?

最近では、働き方改革が叫ばれていて、いままで副業を禁止していた民間企業でも副業を容認するといったところも増えてきました。しかし、あくまでもそれは民間企業であって、副業禁止は社則に記載されているだけでした。しかし、公務員の場合は法律によって副業を禁止されています。自治体によっては副業を認めるという流れも出てきてはいるものの、あくまでもNPO法人やボランティアとしての副業が認められたにすぎません。

では、副業とは違い自分の趣味で書いた絵などを売って利益を出すことは、公務員の場合、法律違反となるのでしょうか?

Q. 公務員が趣味で描いた絵を売るのは副業に該当しますか?
A. 公務員が趣味で書いた絵を売却することは基本的には副業には該当しません。

公務員の副業が禁止されているのは、国家公務員法の第103条

「職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。」

地方公務員法第35条

「職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない」

そして第38条にも営利目的での従業禁止、自らの私企業を営むことを禁止と明文化されています。

ここで問題になっているのは、絵を売ることが企業活動としてみなされるかどうかです。オークションなどで絵をうるだけならば、それは企業活動ではなく、個人の資産処分となるので全く問題はないでしょう。拡大解釈をして、公務員は他の企業、もしくは個人から営利目的でお金を得ることは全て禁止なんて思われているようですが、それならば、不動産の処分も車の売却も全て行うことができないということになります。

購入した絵は資産になるので、売却するのは資産の処分になりますが、趣味で書いた絵の場合はどうでしょう?この場合も、個人で保有していた資産を売却することに変わりないので問題はありません。営利目的で絵を書いてそれを売るといった画家としての活動でも、公務員の仕事時間以外での作業で絵を書いているならば全く問題ないでしょう。

しかし、毎月の売り上げが自分の給与以上にあり、さらに定期的に収入があるといった場合は、所得税の申告の時点で確実にばれてしまいます。あくまでも趣味として書いた絵を売っているといいながらも、給与を超えるほどの金額を定期的に受け取ることは、趣味の一環+資産処分というわけではなく、個人事業主としての企業活動と見なされる可能性はあります。

あくまでも常識的な利益の範囲で趣味の絵を書いて売却するということなら大丈夫なのですが、常識的な範囲というのが全く明文化されていないので、判断が難しいところですね。

Q. 公務員が同人活動で絵やイラストを描くのは公務員法違反ですか?
A. 勤務時間外の作業であれば同人活動で絵やイラストを描いたりする創作活動は公務員法違反にはなりません。

前述した公務員法で規定されているのは、営利目的での就業禁止、もしくは私企業を営むことが禁止されているということです。同人活動の場合は、あくまでも営利目的ではなく、趣味の範疇と見なされるでしょう。創作活動の謝礼として金品を得た場合でも、それは営利目的の就業活動には値しません。しかし、その謝礼の金額が通常よりも大幅に多かったり、自治体と同人関係者が取引関係であったりするならば、その謝礼が収賄と見なされることもあります。

また、謝礼と言えども金品を得ることに変わりありませんから、所得税として申告しなければなりません。

Q. 公務員でも絵を描く画家やイラストレーターの副業が可能って本当ですか?
A.職務に支障をきたさない限り画家やイラストレーターの副業をすることはは可能です。

あくまでも、勤務時間外である勤務終了後や、休日を利用してイラストレーダーなどの副業をすることは違反にはなりません。問題は、休日や勤務時間外に緊急の招集などがあった時になります。公務員はその職柄から、勤務時間外での緊急招集が認められ、それにこたえなければならない義務があります。

イラストレーターの仕事があるので、勤務に行けません!と言うのは公務員法違反になりますので、あくまでも、普段の業務と緊急業務のどちらにも対応できる体制でイラストレーターの副業を行うならば問題はないでしょう。当然のことながら、職務で拘束されている休憩時間などを利用して絵やイラストレーターの仕事をすることは法律違反と指摘されてしまいます。

Q. 公務員でも副業できると聞いたのですが詳しく教えてください。
A.公務員法では直接公務員の副業を禁止するという一文はありません。しかし、社会通念上の制約がありますから注意が必要です。

上記の公務員法を読んでいただければわかると思いますが、この条文において明確に副業を禁止しているという一文は見当たりません。国家公務員法では、企業の役員となることを禁止しており、自ら会社を営むことを禁止しています。

業務に支障をきたす就業従事についても禁止していますが、あくまでも業務に支障をきたすものに関してです。休日や、勤務時間外に行う副業については禁止という条項が乗っていないのが事実です。

では、どんな仕事でも公務員は副業としてやっていけるのか?

法律的には可能と言えますが、公務員の給料は、一般人の税金から捻出されています。また、報道などで度々取り上げられるように、民間企業と比較して給料面でも、福利厚生でも優遇されているとみなされるのが一般的です。

そんな公務員の人が、一般人が目に付くようなところで副業をしていたら、間違いなくクレームの対象となります。法律に違反していなくても、社会通念上問題があるということになりますね。したがって、副業は可能だとしても、公務員が従事できる副業は限定されてしまうというのが現状だと思います。

また、以前と違い公務員と言えども一生身分が保証される人だけではなくなっているのが現状。嘱託などで市役所勤務している人は契約期間の間は公務員ですが、それ以外では身分も収入も保証してはもらえません。そして、通常の公務員よりも給与面に関しては低い、さらに賞与もでない、そんな形の公務員の方がたくさんおり、さらにその数は、正社員と言える普通の公務員の数倍にものぼります。

公務員自体、多様化しているのに、あくまでも正社員である一般採用の公務員を基準とした国家公務員法や地方公務員法を全ての職員に対して適用するということ自体が問題があるのではないでしょうか?

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