公務員がボランティア参加で副業違反?!

公務員の副業禁止されていますが、ボランティア活動はどういう扱いになるのでしょうか。

ボランティア活動の際の交通費や昼食代、そして、有償ボランティアと公務員の副業禁止規定についてご紹介します。

1. 公務員はボランティアでも副業とみなされるから禁止?

公務員の副業は原則として禁止されています。ご存知の方も多いかと思いますが、公務員の副業は法律で禁止されているもので、違反した場合は懲戒処分の対象になることもあります。今まで、こっそり公務員が副業をしていたのがバレて懲戒処分の対象になったケースは少なくありません。

ビル清掃や声優、皿洗いなどのアルバイトをしているのがバレた場合、減給や停職という厳しい処分の対象になっています。公務員の懲戒処分には、免職、停職、減給、戒告、訓告、厳重注意、口頭注意となっており、一番重いのが免職、一番軽いのが口頭注意です。

では、ボランティアの場合はどうなのでしょうか。

ボランティアとは、ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典によると

「無償で自発的に社会活動に参加したり,技術や知識を提供したりする人,またはその活動。社会福祉,教育,環境保全,保健など,社会全般を対象とする。一般的にボランティアの理念として,自分から行動すること,ともに支え合い協力し合うこと,見返りを求めないこと,よりよい社会の実現を目指すこと,があげられる。」

とされています。

つまり、強制されることなく自発的に報酬を求めずに行う活動のことなのです。

清掃やゴミ拾いなどのボランティア活動で、報酬が一切ない活動であれば、そもそも副業ではありませんので、何ら問題ありません。

では、ボランティア活動で交通費や昼食代、わずかな報酬がある場合はどうなるのでしょうか。公務員である限り交通費や昼食代ももらえないのでしょうか。

2. ボランティアに参加した公務員がわずかでも報酬を受け取るのは違法?

公務員の副業を禁止している法律は国家公務員法と地方公務員法の2種類があります。その条文は以下の通り…。

国家公務員法103条と104条

国家公務員法第103条 私企業からの隔離
職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。

国家公務員法第104条 他の事業又は事務の関与制限
職員が報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、その他いかなる事業に従事し、若しくは事務を行うにも、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する。

地方公務員は地方公務員法第38条

地方公務員法第38条 職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。

そして禁止されている理由としては

職務専念の義務…副業をすることで、本業の公務に支障が出ないようにするという趣旨のものです。

信用失墜行為の禁止…公務員本人や、所属する職場、公務員という職業のイメージを壊したり、信用を害さないようにするための規定です。

守秘義務…公務員の、守秘義務を守るためのもので、本業である公務で知りえた秘密や情報が、副業をすることで外部に漏れないようにする必要があります。

つまり、ボランティア活動でもわずかでも報酬を受け取ると違法行為になってしまう可能性があるのです。では、昼食や交通費の場合はどうなるのでしょうか。

2-1. 交通費や食事代

交通費や昼食代については、国家公務員法や地方公務員法で明確な規定はありません。ですが、本当にかかった交通費だけという場合は、昼食代として適正な範囲の金銭や弁当などり支給であれば、公務員法で禁じられた副業と看做される可能性は限りなく低いといえます。

ですが、交通費や昼食代という名目で多額の金銭を渡すのは、やはりNGでしょう。あくまでボランティア活動であるべきですから、交通費や昼食代の範囲には注意が必要です。

2-2. 有償ボランティアへの参加

有償ボランティアの場合は、昼食代や交通費の場合より注意が必要です。そもそも、ボランティア活動とは、報酬を受けることが目的ではありません。ですから、ボランティア活動という名目であっても、多額の報酬がある場合はやはり副業と看做される可能性が高くなります。

有償ボランティアへの参加に関しては、明確な規定や前例がありませんので、なんともいえないというのが事実ですが、ボランティア活動なのであればどうどうとできる…方法があるのです。

3. 公務員でも公に副業する方法

公務員の副業は禁止されていますが、ボランティア活動に限らず公に堂々と副業をする方法があるのです。

まず、公務員であっても以下のものは副業として認められています。

・一定の条件以下の不動産賃貸業
・一定の条件以下の太陽光発電
・印税
・株やFX
・本業で必要なもの

などです。そして、上記に該当しないものでも、任命権者の許可を得をえることで公に副業ができるのです。もちろん、報酬をもらってOKです。

認められやすい副業としては

・家業の手伝い
・有償ボランティア
・地域貢献活動
・講師や講演の謝礼

などです。

有償ボランティアの場合は、任命権者の許可を得えれば堂々と報酬をもらうことができるのですから、少し面倒ではありますが、任命権者の許可を得るようにしましょう。

4. 公務員の副業解禁に向けた動き

現在は、禁止されている公務員の副業ですが、将来的には解禁されたり禁止の範囲が狭くなったりする可能性があります。

働き方改革や副業に対する社会的な見方が変化したこと、そして、公務員であっても経済活動に大きな規制をすることへの反発、そして先進国では認められている国が多いという点から見ても、公務員の副業を解禁するべきという声があがっています。

議論などはこれからなされていくことになるでしょうし、公務員の副業を解禁するためには、国会で法律を変えなくてはならないので、そういった手続きを経て今後、変化していく可能性は低くありません。

このような動きのさきがけとなる市町村も出できています。

神戸市では、副業のために、独自の許可基準を設けてNPO法人などで報酬を得て活動をすることを認めました。これは、公的機関では初の試みとして注目されました。

そして、奈良県の生駒市でも似たような動きが見られます。2017年8月から公益性が高い地域貢献活動などに限定して副業が解禁されました。この制度は、在職3年以上の職員のみ対象ですが、利害関係に問題がなければ、報酬をもらってもいいということになっています。

このような動きが今後も、活発になれば公務員の副業を解禁する大きな流れにつながっていくかもしれません。

5. 公務員がボランティア参加する場合には副業違反にならないようにご注意を!

公務員がボランティア活動をする場合は、副業禁止規定に抵触しないように注意する必要があります。昼食代や交通費に関しても、その範囲を超える金額になれば報酬と言われてしまう可能性もあります。また、有償ボランティアの場合は、副業禁止規定に抵触する可能性もあるので、任命権者の許可を得てから堂々と活動するようにしましょう。

今後、解禁されるかもしれない公務員の副業ですが、今は禁止されています。うっかりボランティア活動で報酬をもらって懲戒処分の対象にならないように注意する必要があります。

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