公務員が講師・講演をすると副業禁止違反で処罰される?

公務員の副業は禁止…ですが、講師や講演であれば、堂々と副業として謝礼や報酬を受け取ることができるのです。

では、どうすれば、堂々と副業ができるのでしょうか。公務員が副業として、講師や講演会をする場合の対応についてご紹介します。

1. 公務員が副業で講師・講演することは可能?

公務員の副業は禁止されていますが、以下のものについては例外に認められていたり、任命権者の許可が得られやすいと言われています。

認められている副業

・不動産賃貸業(制限あり)
・投資や資産運用(株やFX)
・太陽光発電(制限あり)
・本業で必要な仕事

許可を得やすい仕事

・家業の手伝い
・地域貢献活動
・講演会の謝礼
・農業

などです。

つまり、講演会の謝礼などは任命権者の許可をえることで、認められている副業です。また、申請をすれば許可を得やすいといわれているので、しっかりと申告をしていれば、公務員でも副業として堂々とできるのです。

こっそりすれば懲戒処分の対象になる可能性がある公務員の副業ですが、任命権者の許可を得やすい講演会の謝礼などであれば、申請をして許可をもらっておけばよいのです。

ちなみに、公務員の副業で無申告の場合…懲戒処分の対象になります。懲戒処分は、免職、停職、減給、戒告、訓告、厳重注意、口頭注意という種類に分けられています。

公務員の副業がバレた場合は、停職や減給といった厳しい処分が多いので、うっかり副業をして懲戒処分の対象にならないようにしたいですね。

2. 公務員が副業で講師・講演するためには許可が必要

公務員の副業は禁止されています。そして、例外的に認められている副業の中に、講師や講演は含まれていません。まず、公務員の副業を禁止した法律を見てみましょう。

2-1. 国家公務員の場合

国家公務員の場合は、国家公務員法で副業が禁止されています。その条文は以下のものです。

国家公務員法第103条 私企業からの隔離
職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。

国家公務員法第104条 他の事業又は事務の関与制限
職員が報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、その他いかなる事業に従事し、若しくは事務を行うにも、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する。

原則としては、禁止されていますが、任命権者の許可を得れば副業として認められます。

2-2. 地方公務員の場合

地方公務員は地方公務員法で副業が禁止されています。

地方公務員法第38条 職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。

この場合も、任命権者の許可を得て初めて講師や講演が認められるということになります。

2-3.副業が禁止されている理由は?

公務員法で副業が禁止されている理由は何なのでしょうか。

その理由としては

・職務専念の義務…副業にをすることで、本業の公務に支障が出ないようにするという趣旨のものです。

・信用失墜行為の禁止…本人や、所属する職場、公務員のイメージを壊したり、信用を害さないようにするための規定です。

・守秘義務…公務員には、守秘義務がありますので、本業で知りえた秘密が、副業をすることで外部に漏れないようにする必要があります。これも、公務員の副業が禁止されている理由のひとつなのです。

このような理由から、禁止されている公務員の副業…つまり任命権者の許可を得えて副業する場合でも、注意すべき点があるのです。そして、許可が降りやすい内容もあります。

3. 公務員の副業許可が降りやすい講師・講演内容とは

公務員の副業として、許可されやすい講師や講演の内容としては「公共性」が高いものや「社会から必要とされているもの」などです。また、個人の体験談を語るものなど、表現の自由として認められやすいものも、許可が下りやすい副業といえます。

公共性が高く、社会から必要とされているもの…ボランティア活動や、スポーツ教室、外国語講座などがそれに該当する可能性が高くなります。公共性が高く、犯罪や反社会的な内容でないもの…そして、もちろん、高額の入場料などを徴収しないものの方が許可をもらいやすいでしょう。

逆に、講師や講演会だからといって必ず認められるというわけではありません。また、認められた場合でも何を言ってもいいという訳でもありません。公務員の副業として講師や講演をする場合には、注意すべきことがたくさんあるのです。

4. 公務員が副業で講師・講演する場合の注意点

公務員の副業として、講師や講演をする場合にはその内容にも注意が必要です。任命権者の許可を得て、講演をする場合でも、あくまでも公務員が本業ですから、公務員としての仕事を休んでまですることはオススメできません。また、公務員としての本業に影響が出ないようにする必要があります。講演に夢中になって公務員としての本業に悪影響が出たり、本業がおろそかになったりしないようにしましょう。あくまでも、公務員が本業であることをわすれてはいけません。

反社会的な内容や議題、暴力的なものや犯罪を誘発する可能性があるもの、性的な表現が多いものなどは許可が降りにくいといわれています。また、ビジネスのノウハウや情報商材のような内容のものも許可が降りにくいと考えられます。

また、講演会と称した物販やネットワークビジネスーの勧誘、新興宗教、特定の団体や集団、国家や個人を批判するような内容の講演は控えるべきです。

公務員は例え副業であっても、そして、任命権者の許可を得ていても、公務員としての信頼などを守るように行動する必要があるからです。また、違法行為の体験談や差別的な発言、ヘイトスピーチや、政治的な発言も避けておく方が無難といえます。

あなたにとっては、公務員としての自分ではなく個人としての発言だったとしても、周りからみるとそうではないのです。

講師や講演をする場合には、内容や発言に充分注意すべきです。

また、騒音トラブルや賃料、謝礼でのトラブルも避けたいところ…講演での質疑でも感情的にならないようにしたいですね。加えて、うっかり講演で、守秘義務違反になるようなことを話してしまわないようにも注意すべきです。

任命権者の許可がもらえたとしても、たくさんのことに注意する必要があるということを忘れないようにしましょう。

なんだか窮屈も思えますが、公務員である以上、これは避けて通ることができないものです。任命権者の許可を得た場合でも、十分に注意したいですね。

公務員が講師・講演をすると副業禁止違反で処罰される?まとめ

公務員の副業は原則として禁止されています。ですが、講師や講演などは、内容に注意すれは任命権者の許可を得やすい副業といわれています。原則としては禁止ですが、許可をもらえれば堂々と副業することができるので、必ず許可を取ってから講師や講演をしましょう。そして、講師や講演をするときも、公務員としての本業をおろそかにしたり、反社会的な内容にならないように注意する必要があります。

任命権者の許可を得るためには、スポーツ教室など、地域貢献活動や社会性が認められる内容であれば、許可を得やすくなっています。

禁止されてはいますが、堂々と副業できる講師や講演などは、公務員の副業として活動しやすいものといえます。注意点をしっかりと守って、懲戒処分の対象にならないように副業をしていきましょう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする